「グラス・ハウス/ビリー・ジョエル」 80年 評価4.5
ビリーがスーパースターになるターニングポイントとなった作品といっていいだろう、通算7作目。前作で伺えた守りの姿勢、円熟味を踏襲してはそのまま消えていく運命にあったが、本作では一変してロック色が濃く、ピアノに頼ることのないサウンドを打ち出し、どの曲も個性的で出来はよく、彼の非凡な才能を知らしめた。
残念なことにビリーのアルバムは不思議とトータル性を感じさせないため、評価5には届かないが、後の「ナイロン・カーテン」「イノセント・マン」の曲作りの基ともいえる曲調を感じることが出来、彼にとって最も重要な作品であることは間違いなく、私にとってもビリーのアルバムの中で最も好きな作品である。
メロディが秀逸なミドルテンポの「ドント・アスク・ミー・ホワイ」、ビリーのシャウトが実にかっこいい「レイナ」など、どの曲も独立して質が高い。